頭取ご挨拶

地域の「未来」を見守り、育てる。皆さまといっしょに歩む金融機関であり続けます。 取締役頭取 安宅 建樹

原点を見つめ直した一年

当行は昨年(2009)4月から、3ヵ年の中期経営計画「スピード&クオリティアップ2012」をスタートさせました。時あたかも百年に一度と言われた経済危機の影響がくすぶるなかでのスタートでした。

厳しい経済情勢のなか、我々銀行が社会に対して果たすべき役割とは何か、地域の皆さまにとって我々はどのようにお役に立つことができるのか。

地域の金融機関であることの「原点」を見つめなおし、お客さまに真摯に向き合い、迅速かつ着実になすべきことを実行していくこと。それこそがこの中期経営計画の中で私たちが目指したものに他ならなかったのです。
そして一年。

この間のさまざまな取組みを通じて、確かに見えてきたものがあります。お客さまや地域とのあいだに生まれてきた、より強い「きずな」、より深い信頼関係があります。

この土台の上にどのような「未来」をお客さまや地域とともに描いていけるのか― 今年度、私たちが取組んでいこうとしているのは、まさにそうしたテーマです。真の意味での「リレーションシップ・バンキング=地域密着型金融」を目指すこと。地域金融機関としてのCSR(Corporate Social Responsibility /企業の社会的責任)を果たす私たちの歩みは、今年も変わることなく続けられます。

お客さまの目線に立ち、声に応える

この一年間、私たちが重点的に力を注いできた活動のひとつに「お客さま訪問活動」があります。私たちは本当に、お客さまのニーズや実情をしっかり把握することができていたのだろうか―こうした反省から全行をあげて取組んできました。

一件でも多くお客さまを訪問し、お顔を拝見しながらお声に耳を傾ける。お客さまが直面されている状況や問題を、お客さまと同じ目線で見つめ、ともに考え解決の糸口を見出していく。こうした活動を地道に積み重ねてきたのです。

同時に、厳しい状況にある地域経済と暮らしを支援するため、「金融円滑化」にも力を注ぎました。2009年12月に施行された「金融円滑化法」に先立つことほぼ1年、2009年年初より住宅ローン利用者に向けた相談業務をスタートさせ、現在は各営業店長を「金融円滑化責任者」とし、本部内には「金融円滑化委員会」を設置し、住宅ローン利用者のみならず地域の中小企業者のサポートを積極的に行っております。

今年度も「お客さまの目線」で考え、お客さまとの緊密な「きずな」を築きながら、暮らしと経済のニーズに応えていきたいと考えています。

産業経済の未来のために

地域経済の活性化のための活動も多面的に展開しています。

そのひとつが海外金融機関との連携です。2010年度には成長著しい中国の大連銀行と業務提携を行いました。北陸の中小企業と中国企業とのビジネスマッチングや、地元企業が可能性に満ちた中国市場にアプローチしていく際の足がかりとしてお役に立っていければと願っています。

海外銀行との提携は今回の大連銀行で4行目。今年10月には、これら海外金融機関とのネットワークを活かした「ビジネスマッチング・イベント」の開催も予定しています。

また、全国最大規模となる「いしかわ産業化資源活用推進ファンド」や「いしかわ次世代産業創造ファンド」、官民一体型「いしかわ中小企業再生ファンド」などにも資金を拠出することで、地元の産業経済の「未来」のために力を尽くしていきます。

教育研究機関との連携

当行本店のある石川県・金沢市とその周辺には数多くの大学が集積しています。この特性を活かし、これら教育研究機関と地域との交流を促進する、その仲立ちとなっていくことも、私たちのCSR活動の重要なテーマです。当行では金沢大学をはじめ北陸先端科学技術大学院大学や金沢美術工芸大学との連携協力に関する協定書を締結。地元の企業や商店街などとの交流の中から地域の新たな活力が生まれ育ってくれれば…そのような思いを抱きながら、相互交流のための機会や場の創造に努めています。

未来を担う若い力のために

地域の未来を担う子どもたち、若者たち。その育成のための力になりたい。とりわけ、少子化による人口減少に直面する地方において、子どもを産みやすくまた、育てやすい環境づくりを支援していくことは、私たちのCSR活動の原点でもありました。本年度も行政や教育機関と連携しながら、多彩な子育て支援・教育支援を展開しています。行内においても出産・育児支援のための雇用環境・職場環境の整備を継続的に進めています。

また大学や高等学校などに、私をはじめ行員たちが講師となって「金融経済教育」に出向くなどの活動も実施し金融のプロとしての知識と経験を、次代を担う若者たちに向けて発信してきました。

一人ひとりの行員が地域のために

最後になりましたが、CSRの基本は、一人ひとりの行員が自発的かつ自主的に、お客さまや地域、地域の人々のために「行動」するところにあると考えます。北國銀行に所属する二千余名の行員たちその一人ひとりがあるときは業務を通じ、またあるときは一人の市民として日々の中で、CSRへの意識と感性、使命感を持ち、動いていく― そのような組織風土の醸成を目指し、今後もできうるすべての可能性に取組んでまいりたいと思います。

平成22年9月