金沢から
世界にビールを
発信したい

創業への
想い

金沢で地ビールをつくろう

前職退職後、夫婦で約1年間世界旅行に出かけました。特に進路は決まっておらず、税理士やコンサル業も選択肢として考えていました。候補の中でもビール製造――これまで手掛けてきた仕事とは全く別業界でしたが、会社員当時、東京で行きつけだった個人経営のバルが自家製ビールを提供していたことが頭の隅に引っかかっていたのです。“自分にも作れるんじゃないか”、“折角だから好きなことをやってみよう”、そう思い立ってから、旅行中あらゆる知人にメールで連絡をとりました。そんな中ワークアウェイ(※労働力提供の対価としてホストが宿泊場所と食事を提供するサービスのこと)のホストとして自分たちを引き受けてくれたのがスウェーデンにある一家でした。彼らの家の手伝いをしながらビール醸造体験にのめりこみましたね。友人や近所の人を招いてホームキャンプをする機会があり、自作ビールを振舞った瞬間の感動や楽しさが忘れられませんでした。地元に持ち帰って金沢発のビールを造りたいと思ったきっかけです。

苦労したこと

開業準備からこだわりの
自社製品ができるまで

一号店となる東山店は氷業会社さんの建物内にオープンしましたが、物件の決め手は大きな冷蔵庫でした。ビール造りにおいて温度管理は重要です。古い建物でしたが、改装の段階で外壁をはがしてみると、予想外に中がとても味のある造りになっていました。その風合いをのこす形で今の外観になっています。
ビール製造経験が少なかった私の創業相談において、創業プランを見て融資の判断をしてもらえたことはありがたかったです。創業当座貸越という元金据置の融資商品で、ベンチャーキャピタルのように対応してもらったことで、資金面に余裕を持ち事業に集中することができました。醸造する人材は周囲の協力を得ながら集まっていたのですが、ビールの試作が思ったようにいかず四苦八苦しました。にごり具合や風味の面で製品化には苦労しましたね。開業から自社製品が完成するまでの間は一般的なクラフトビールを販売していましたが、一刻も早く自社製品を提供したいと焦っていました。

今後の
展望について

地元から世界へ、
更なる目標に進む決心

今後については新幹線延伸、特に福井方面に店舗を出店したいと考えています。現状当社の主力製品は瓶ビールですが、缶ビールにも展開していきたいですし、海外輸出にも力を入れていきたい。国内にとどまらず、世界で金沢のビールを飲んでもらいたいですし、ビールを主軸に関連する事業から派生していくのも面白そうですよね。
コロナ禍は決して楽ではありません。それでもただ時が過ぎるのを待つだけではなく、状況の変化を正確に受け止め、臨機応変に対応する力が問われると思います。業況が悪くなる業種がある一方で、伸びている業種もある。そう考えると勝機はあるのではないでしょうか。日々思考を止めないことが大切だと感じています。

取材年月:2022年1月

創業チーム 担当者より

創業チームConsulting

Uターンでの起業、当地では目新しいビジネスモデル。まるで絵に描いたような創業相談だと、担当者としても興奮したのを覚えています。ご相談をいただいた時点で既に地元企業とのパイプを構築されていたほか、ストーリー性に富んだプレゼン資料と練られた数値計画をご提出いただき、業界的なご経験は少なくとも事業が成功するイメージを掴めたことが大きかったと思います。田中様のように意欲的な方の周りには、同じ志を持つ方が集まるものと感嘆いたしました。私どもとしましても、金沢産の地ビールが世界へ羽ばたくことを願っております。

INFORMATION

ORIENTAL BREWING

(オリエンタルブルーイング)

〈東山店〉
〒920-0831 金沢市東山3-2-22
TEL.076-255-6378

〈香林坊店〉
〒920-0961 金沢市香林坊2-4-26
TEL.076-256-0776

〈金沢駅店〉
〒920-0858 金沢市木ノ新保1-1
金沢駅あんと西2F
TEL.076-208-4311

〈Bistro Oriental〉
〒920-0031 金沢市広岡 1-5-3
金沢クロスゲート2階
TEL.076-255-0029

Person.1PROFILE

オリエンタルブルーイング株式会社

代表取締役
田中 誠

石川県小松市出身。
IBMにてコンサル業に従事。退職後世界旅行中にビール製造技術を学ぶ。帰国後金沢にて同社設立。

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